戦争で死ぬのは人ばかりではない
2007年 08月 03日
フジテレビ系列で千の風になってドラマスペシャル第2弾『ゾウのはな子』(8月4日(土)PM9:00~11:10)というドラマがあるので、戦争の犠牲者は人間だけではないということを知る為にもぜひこのドラマを見てみませんか。
お子さんがいる方は、戦争教育として良いキッカケになるのではないでしょうか。
『フジテレビ』
この『ゾウのはな子』の話は絵本などでも知ってる方も多いと思います。
それにこの物語に類似してる話は、あの戦争時には全国であったことです。
ゾウだけに関わらず、たくさんの動物たちが薬殺などで死んでしまいました。
太平洋戦争末期、動物園では、食糧難や「爆弾が落ちたら動物が人を襲う」と軍の命令で動物園の動物たちは殺されました。
東山動物園には戦前、4頭のゾウ(マカニー、エルド、アドン、キーコー)がいました。
たくさんの動物が殺されていく中で、当時の職員たちは北王英一園長を先頭にゾウだけでも守ろうと、エサ作りのために空き地を耕したり、空襲の中を荷車を引いてエサを探しまわりました。
しかし、寒さと飢えで2頭(アドン、キーコー)は死んでしまいました。
東山動物園のHPから
『開園、そして戦争』
『昭和20年代(終戦・復興)』
東京・上野動物園では、3頭のゾウ(花子、トンキー、ジョン)を餓死させました。
芸をすればえさをもらえると思い、弱ったからだで一生懸命に芸をするゾウの話は、絵本
「かわいそうなゾウ」で、よく知られています。
『上野動物園』(悲しい上野動物園)』
結局、戦前、日本全国で1941年には20頭いたゾウのうち、終戦後まで生きのびたのは、東山動物園のエルド、マカニーの二頭だけでした。
ドラマを見られない方の為に、あらすじを転記しておきます。
本当にあった、悲しいお話です。
~~~~~~~~ものがたり~~~~~~~~~
東京都武蔵野市・井の頭自然公園。この小さな動物園の片隅でひっそりと生きている一頭の老象・はな子。その周りではこどもたちが笑顔で手を振っている。しかし、この象の話をする前に、もう一頭の“花子”の話から始めなくてはならない。それはこの国が戦争をしていた頃の話・・・。
今から65年前の昭和16年、太平洋戦争が始まった。
昭和18年、夏。
上野恩賜動物園・象担当の飼育員である吉岡亮平は、人間でさえ食べるものに困っているなか、空腹に耐えられない動物たちのために生ゴミを漁っては、仲間の飼育員に分けてやっていた。
戦争中でもお客がいる限り、動物園は開いていた。なかでもジョン、トンキー、花子の三頭の象は一番の人気者だった。象舎の前には、いつものように和夫という少年の姿があった。和夫には象と同じ花子という名の妹がいた。しかしその妹は身体が弱く、まだ本物の象を見たことがなかった。
そんな時、園長の西村が飼育員全員を集めた。一か月後の8月31日までに猛獣処分せよ、との通達が都から下ったのだ。亮平をはじめ、飼育員たちは、地方の動物園への疎開など、なんとか動物たちを守ろうと考えるが、都の命令には逆らえず、ついに動物たちへの毒殺が始まった・・・。
いよいよ象の番になった。しかし、賢い象は、毒の入った食べ物を決して口にしない。もう象以外、ほとんどの猛獣は処分されていた。注射針も象の皮膚には通らず、餓死させるという最も残酷な方法しかなかった。象たちは亮平に芸当を見せてはご褒美の餌をねだった。何もすることができずに苦しむ亮平。日に日に痩せていく象。
「どしーん」という音とともに、まずはジョンが倒れた。弱ると、一度倒れた象はもう自力では起き上がれない。残った花子とトンキーは、どちらかが倒れないように身体を寄せ合い、立ち続けたという。しかし、トンキーに続いて、昭和18年9月11日、とうとう花子は餓死した。
戦争が終わり、動物園も再開された頃、新聞社に10円が同封された一通の手紙が届く。
「ぼくのいもうとはぞうをしりません。この10円でぞうをかってください」という少年からの投書が新聞に掲載され、日本中の子どもたちの夢がふくらんだ。
その夢が叶い、タイから1頭の子象が贈られることに。その象の担当を命ぜられた吉岡は、「自分は象を殺した人間だ」と苦しみつつも、子どもたちの夢を叶えるべく再び立ち上がる。そしてその仔象に名付けられた名は「はな子」。餓死せざるを得なかった花子より平和な時代に長生きして欲しい、という願いが込められていた。
吉岡は、新しい飼育員・高野敬介と一緒に最大限の愛情ではな子を飼育し、芸を覚えさせる。はな子は一躍上野動物園のスターになった。
昭和29年、はな子は武蔵野市の井の頭自然文化園に移されることになる。吉岡はこれがはな子との別れになった。
井の頭ではひとりぼっちのはな子。群れをなす象にとって一人になるのは最大の苦痛で、この頃からはな子の運命の歯車が狂い出す・・・。
井の頭に来て2年、事件は起きた。深夜酔った男が象舎に侵入し、檻の中で死亡しているのが発見されたのだ。その数年後には、飼育員を踏みつけて殺してしまうという悲劇が再び起こる。芸達者で人気者だった象は、これを境に「人殺しの象」というレッテルを貼られてしまう。以来、はな子は狭くて暗い象舎に足を鎖でつながれ、人前に出ることはなくなってしまった。
そこにやって来た新しい飼育員は高野敬介だった。はな子とは上野から去って以来の再会。げっそり痩せて、完全に人間に対して心を閉ざしてしまったはな子の鎖をほどき、心の交流を図ろうとする高野。
しかし、やっと檻から出してもらったはな子に客の冷たい罵声と投石が・・・。
その現場に居合わせた高野の一人息子・洋介は、ショックを受ける。ますます傷つき、人間不信になるはな子を救うことだけに没頭し、家庭も顧みなくなる高野。
はな子は、ストレスにより歯が抜け落ちてしまった。食べ物をかみ砕く歯を失うということは、ゾウにとって死を意味する。はな子の命を守るために、高野の懸命な努力の日々が始まった・・・。
by chobimame
| 2007-08-03 15:17
| 時事