8月は戦争の話し中心です。


by chobimame

一枚の写真から

8月・・・広島・長崎の原爆、終戦記念日など、戦争を考えさせられる時期でもありますが、残念ながら今の日本では年々そういう雰囲気は薄れていっています。
戦争関連でクローズアップされるのは、靖国問題のような政治的・外交的に利用されている話ばかりで、戦争とはいったいどんな事だったのか?という次世代に伝えなくてはいけない平和教育が完全に忘れられています。
それはとても残念なことです・・・
そんな世の中を反映してか、語り部の方が体験談を語り聞かせても、今の子供たちにはピンと来ないという現実があるそうです。
私達もそうですが、生まれた時から平和で、物はたくさんあり、食べる事にも苦労しない時代に生まれた子供たちには、戦争は物語の中の出来事なのです。
語り部の方たちも、そんな子供達の様子に手応えが感じられず焦りや空しさを感じる事もあるそうです。
平和しか知らない子供達に戦争の実感を持てという方が無理なのかもしれませんが、それでも伝えていかなければいけないと思います。伝える続けることが大切なのです。
私も戦争に関して色々な本や体験談に触れてきたつもりですが、それでも尚、知らないことの方が多く、その都度新しい衝撃や悲しみがあり、戦争という悲劇の大きさに驚愕するばかりです。
いつもオチャラケ話の「ちょびまめにっき」ですが、今月は、ちょっと真面目にお付き合い頂けると有り難いです。<(_ _)>

先日、調べ物をしている時に1枚の写真に出会いました。
私は、その写真から目が離せなくなりました。
この1枚の写真から、戦争というものがいかなる悲劇であったかを感じることが出来るでしょう。
ぜひ、この写真を見て下さい。そして、考えてみて下さい。







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「焼き場に立つ少年」 (1945年、長崎、(c)ジョー・オダネル) 



<ジョー・オダネルのコメント>

佐世保から長崎に入った私は、小高い丘の上から下を眺めていました。
すると白いマスクをかけた男達が目に入りました。
男達は60センチ程の深さにえぐった穴のそばで作業をしていました。
荷車に山積みにした死体を石灰の燃える穴の中に次々と入れていたのです。

10歳ぐらいの少年が歩いてくるのが目に留まりました。
おんぶひもをたすきにかけて、幼子を背中に背負っています。
弟や妹をおんぶしたまま、広っぱで遊んでいる子供の姿は当時の日本で
よく目にする光景でした。
しかし、この少年の様子ははっきりと違っています。
重大な目的を持ってこの焼き場にやってきたという強い意志が感じられました。
しかも裸足です。
少年は焼き場のふちまで来ると、硬い表情で目を凝らして立ち尽くしています。
背中の赤ん坊はぐっすり眠っているのか、首を後ろにのけぞらせたままです。

少年は焼き場のふちに、5分か10分も立っていたでしょうか。
白いマスクの男達がおもむろに近づき、ゆっくりとおんぶひもを解き始めました。
この時私は、背中の幼子が既に死んでいる事に初めて気付いたのです。
男達は幼子の手と足を持つとゆっくりと葬るように、焼き場の熱い灰の上に横たえました。

まず幼い肉体が火に溶けるジューという音がしました。
それからまばゆい程の炎がさっと舞い立ちました。
真っ赤な夕日のような炎は、直立不動の少年のまだあどけない頬を赤く照らしました。
その時です、炎を食い入るように見つめる少年の唇に血がにじんでいるのに気が付いたのは。
少年があまりきつく噛み締めている為、唇の血は流れる事もなく、ただ少年の下唇に赤くにじんでいました。
夕日のような炎が静まると、少年はくるりときびすを返し、沈黙のまま焼き場を去っていきました。
(インタビュー・上田勢子)



<ジョー・オダネルについて>

1945年8月29日長崎。撮影者はジョー・オダネル氏。アメリカ南部テネシー州ナッシュビル在住。軍曹として第二次世界大戦に従軍後、1945年9月、占領軍のアメリカ空爆調査団の公式カメラマンとして訪日。およそ7ヶ月間、長崎や広島を歩き、日本と日本人の惨状を目の当たりにした。
「焼き場の少年」をはじめとする日本の市民を撮影した彼のネガは、検閲を免れるためフィルム箱に納められオダネル氏のもとで保管されていた。



終戦から58年目に、この写真の撮影者が日本へこの子供を探しに来た時の模様を
数年前にTBSで放送されたそうですが、今年はBS-iで再放送されるそうです。
BSが見られる方はぜひご覧になると良いと思います。(題名をクリックするとHPへ飛びます)

06/8/18(金) 21:00~22:54 BS-i
「原爆の夏 遠い日の少年~元米軍カメラマンが心奪われた一瞬の出会い~ 」
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by chobimame | 2006-08-15 21:04 | 時事